家族の体と暮らしを守る、住まい選びで見落とせない視点
シックハウス症候群と室内空気汚染が体に与える影響
シックハウス症候群とは、住宅の建材や内装材から放散される化学物質が原因で、室内の空気が汚染され、体に不調をきたす状態のことです。
主な原因物質は、ホルムアルデヒド・トルエン・キシレンなどのVOC(揮発性有機化合物)です。
これらは、接着剤・塗料・合板などに含まれており、完成後も一定期間にわたって室内に放散されます。
症状は人によって異なりますが、目・鼻・喉の刺激、頭痛、倦怠感、皮膚の炎症などが代表的です。
乳幼児・高齢者・アレルギー体質の人は、特に影響を受けやすいです。
室内空気の汚染は目に見えないため、入居後しばらくしてから症状が出ることがあります。
日本では2003年に建築基準法が改正され、ホルムアルデヒドを放散する建材の使用が規制されました。
しかし、規制の対象外の化学物質も存在します。
建材の選定と適切な換気の組み合わせが、室内空気の質を保つうえで重要です。
断熱・換気・気密の三要素が健康と快適性を左右する仕組み
健康住宅を語るうえで、断熱・換気・気密の三つは切り離せない要素です。
この三つは互いに関係しており、バランスよく性能を確保することが重要です。
断熱は、外気温の影響を室内に伝えにくくする性能です。
断熱性能が高い住宅では、冬でも室内の温度が均一に保たれます。
温度差が小さくなることで、ヒートショックのリスクが下がります。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかる状態です。
特に高齢者にとって深刻なリスクです。
換気は、室内の汚れた空気を外に出し、新鮮な空気を取り込む仕組みです。
適切な換気が確保されていると、化学物質・湿気・二酸化炭素が室内にこもりにくくなります。
2003年以降、住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられています。
気密は、住宅の隙間を少なくする性能です。
気密性が低いと、換気システムが設計通りに機能しません。
意図しない場所から外気が入り込み、換気の効率が下がります。
断熱・換気・気密の三つをそろえることで、快適で健康的な室内環境が実現します。